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2013年4月 8日 (月)

興味津々音楽探求~キューバ音楽のこと

 皆様今晩は。ヒワイイ大使の巨乳担当めぐりんです。今回の「興味津々音楽探求」は、ころんさんをゲストに迎えてキューバ音楽について対談してみようと思います。かなり長い対談になってしまいましたけど、もしよろしければお付き合い下さいね。便宜上ころんさんは「ろ」、めぐりんは「め」と表記します。それでは早速。

め「今日はキューバ音楽について対談しようと思うんですけど。」
ろ「ほう、それは面白そうでやんすね。どんな話ですか?」
め「前にテイクオフから出ている『ビロンゴ』っていう、キューバ音楽のコンピレ盤を取り上げましたけど、」
ろ「あ~、めぐりんが絶賛していたブツでやんすね。」
め「はい。本当に素晴らしい内容で、やっぱりキューバ音楽って良いな~って。」
ろ「やっぱりそう思いますよね?わっちも同じですよ。」

こちらが「ビロンゴ」
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め「ただ、考えてみるとですね、わたしが大好きなキューバ音楽って、言ってみれば昔の音楽ばっかりって言うか、」
ろ「昔の音楽?」
め「はい。昔ながらのソンとかトローバとかの流れを汲んだ音楽ですね。今の音楽なら、シエラ・マエストラとかセプテート・アバネーロの90周年盤とか、昔ながらのソンを現代的に演奏しているバンドが好きなんです。」
ろ「ほう。」
め「それで、この前なんですけど、ころんさんがブックオフから今のキューバ音楽のアルバムを買って来てくれたじゃないですか。」
ろ「はい。ロス・バン・バンの04年盤『CHAPEANDO』、チャランガ・フォーエヴァーの2000年盤『LA CHARANGA SOY YO』、イサーク・デルガドの94年のソロ・デビュー盤『CON GANAS』の3枚ですね。」
め「はい。あれって、所謂『ティンバ』っていう音楽ですよね?」
ろ「まあそうですね。ヒップホップとかロックとかサルサとかの色々な要素を呑み込んだ、比較的新しいキューバ音楽の流れと言いますか。キューバのサルサなんて呼ばれる音楽ですね~。」
め「あ、別に関係無いんですけど、サルサはキューバの音楽だって思っている人が多いのに、物凄く違和感があるっていうか、」
ろ「サルサはニューヨークに移り住んだプエルトリコの人達が作り上げた音楽ですからね~。観光のパンフレットなんかに『サルサの本場キューバ』とか、『キューバの代表的な音楽サルサ』なんて書いてあると、わっちもかなりの違和感がありますけどね。」
め「キューバは『ソン』ですもんね。」
ろ「はい。」

「サルサはワシ等、ニューヨークのプエルトリカンが作ったモノなんじゃよ。」byウィリー・コロン君
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め「で、話をティンバに戻しますけど、ころんさんはティンバってどう思いますか?」
ろ「そうですね~、まあヒップホップ世代の若者のキューバ音楽って感じでしょうか。どこの国でも同じだと思いますけど、血気盛んな若者達って、伝統的な音楽だけでは満足出来ないと言いますか、目新しくてカッコ良くてエネルギーが感じられるモノに飛び付きますよね?」
め「まあ確かにそうでしょうね~。」
ろ「もしかしたらキューバの若者は、セプテート・アバネーロみたいな伝統的な音楽を、『こんなジジ臭いモン聞いてられるか!』みたいに思ってるとか?」
め「それはどうだかわかりませんけど。」
ろ「それよりは、やっぱりティンバの方がカッコいいと感じられるんじゃないでしょうか?」
め「わたしはティンバよりも、伝統的なソンの方がずっとカッコいいと思いますけどね。」
ろ「まあ日本人の感覚からすれば、そうなるかもしれませんね。」
め「ティンバって何だか軽薄でチャラいっていうか、下世話でハッキリ言って品が無いって感じられるんですよ。」
ろ「あ~なるほど。でも下世話で下品っていうのは、大衆音楽の本質かもしれませんよね?」
め「それはそうかもしれませんけど、でもキューバ音楽ってどんなに激しくなっても優雅で品があるっていうか、そうあって欲しいと思いませんか?」
ろ「そうですね~、その気持ちはわっちにもよくわかります。キューバ音楽は気品を保つべきだ!な~んて考えは、わっちも持っていますよ。そう考えると、確かにティンバはキューバ音楽にしては、品が無くてチャラいと思います。」
め「ですよね!」
ろ「でもキューバのバンド連中って、基本はやっぱり伝統をキッチリ受け継いでいるって気がしますけどね~。チャランガ・フォーエヴァーなんて確かにチャラいですけど、このアルバムのラストのチャ・チャ・チャなんて、見事にエンリケ・ホリーンなんかに通じる正統派のチャランガを受け継いでいますよ。伝統が現在に生き続けていることが実感出来る、素晴らしい演奏だと思います。」

こちらがチャランガ・フォーエヴァー
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め「まあ曲単位で判断すれば、確かにラストの曲は素晴らしいと思います。でも全体を通じて考えると、やっぱりわたしは積極的に支持したいとは思えないんですよね。」
ろ「それはめぐりん自身の感覚ですから、それはそれで正解ですよ。大事なのは、自分自身で判断するってことですから。ただ、キューバの人達からすれば、キューバ音楽は気品を保つべきだなんて考えは、『そんなの知ったことか!でっけえお世話だ!』ってことになるんでしょうけどね。」
め「それはそうでしょうけど、ティンバを聞いていると、特にキューバらしさなんて感じられないっていうか、サルサと何も変わらないって気がするんですよね。」
ろ「確かにね。軽薄という点では。80年代後半に大流行したサルサ・エロチカに通じるところがあるかもしれませんね。」
め「わたしはサルサ・エロチカって知りませんけど・・・。でもティンバ以前のキューバ音楽って、ニューヨークのサルサとは全然違ってたっていうか、明らかなキューバらしさがあったと思うんですけど。」
ろ「それは確かにそうですね。ただ、そういうキューバらしい音楽とティンバって、全くの別物だってことなんでしょうね。だからティンバにキューバらしさを求めること自体が筋違いと言いますか、キューバ音楽にキューバらしさを求めるのは、ひょっとしたら我々外国人だけなのかもしれませんよ。地元の人達は何とも思っていないとかね。」
め「だとしたら、ちょっと残念って気がします。」

「キューバ音楽は、やっぱりキューバ音楽らしくあって欲しいな~って思います。」byめぐりん
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ろ「でも、実際にキューバに行ってみると、若い連中がフツーにトリオ・マタモロスの『とうもろこしを蒔く男』なんかを演奏したりしていますし、伝統的な音楽は意外なほど身近な存在って感じられましたけどね。」
め「え~、そうなんですかね~。」
ろ「あとは、ブエナ・ビスタの功罪と言いますか、アレでキューバ音楽のイメージを決定付けてしまった感はありまして、老人達が演奏する伝統的なソンこそがキューバ音楽なんだって、世界中の人達が思い込んでしまったっていうか。街中の至る所で『チャン・チャン』ばっかり演奏してるって感じで。アレこそがキューバ音楽だってイメージを持っていると、それは違うんじゃない?って気もするんですよね。」
め「う~ん、じゃあどう捉えておけばいいんでしょうか?」
ろ「そうですね~、実際にキューバの人達がどう考えているかはわかりませんけど、多分伝統的なソンもチャラいティンバも、全部共存してるんじゃないですかね~。伝統的な根っこがしっかりしている分、特に伝統に固執する必要が無いのかもしれません。」
め「そんなものなんですかね~。」
ろ「伝統から切り離された方が、かえって伝統に固執するってことはあると思いますよ。70年代に爆発したサルサは、異国の地ニューヨークに生きるプエルトリカンが、心の拠り所を強烈に求めていたからこそ成立したんだと思います。だからこそあれだけ色々な要素を取り込みながらも物凄くストイックで硬派で、チャラい所なんて全然無かったんじゃないかと。その精神性が薄れて行ったなれの果てが、サルサ・エロチカみたいな音楽なんでしょう。」
め「じゃあキューバの人達は伝統に固執する必要が無いから、かえってチャラいティンバなんかにも抵抗無く親しめるってことですか?」
ろ「じゃないですかね~。根っこがしっかりしているからこそ、チャラくもなれるのかもしれません。ロス・バン・バンなんかもチャラいですけど、モントゥーノの部分を拡大解釈したような怒涛のダンス音楽に仕上げる手腕は単純に凄いと思いますし、やっぱり根っこがしっかりしているからこその遊びなんじゃないでしょうか。」
め「キューバの人達の余裕ってことですか?」

根っこがしっかりしている?ロス・バン・バン
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ろ「おそらく。いくらチャラいティンバが一世を風靡しても、伝統的なソンは決して無くなりませんよ。ならば色々と遊んでみるのも全然構わないっていうか、ロス・バン・バンのソンとラップを合体させた曲なんて、キューバ音楽の新境地って気もしますしね。」
め「う~ん、そういう考え方もあるんですね~。」
ろ「ティンバを色々と聞いていると、現在のラテン音楽との共通性は感じられますよ。伝統に固執するあまりに時代の流れに取り残されてしまうよりは、ティンバで同時代性を体現するってことも、必要なんじゃないですかね~。たとえそれがキューバ音楽らしさを失ったモノであるにしても、確かに現在のラテン音楽と繋がっているって実感出来ることは、別に悪いことではないと思うんでやんすよ。」
め「それじゃあ、そういう音楽があるってことも知った上で、自分自身は伝統的なソンを楽しんでっていう、」
ろ「それでイイんじゃないでしょうか。ティンバは今の時代の流れのキューバ音楽だってことを知っておけば、それでOKなんじゃないですかね~。好きになる・ならないは、個人の自由ですから。」
め「そうですね。」
ろ「まあそういう同時代性というのを凄く上手く表現しているのが、イサーク・デルガドだと思うんですよね~。表面的には軟弱でフュージョンっぽいオッサレーな音楽ですけど、リゾート化されたキューバのイメージをこの人ほど上手く表現している人は他にいないんじゃないかと。」
め「音だけ聞けば、最早キューバ音楽とは全く思えないですけど。どこか別の国のオシャレなラテン音楽って感じられます。」
ろ「でもイサーク・デルガドは、軟弱ですけど優雅な品の良さがありますよ。わっちはこの人の音楽は好きですね~。」
め「へ~、そうなんですね。」

こちらはイサーク・デルガドのソロ・デビュー盤
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ろ「まあ無理にティンバを聞けなんて言いませんし、別に評論家じゃないんですから好きな音楽を聞いていればそれでイイと思いますけど、こういう音楽あるんだな~ってことを知っておくだけでも、自分の幅を広げることに繋がるのではないかと思いますよ。」
め「そうですね。もうちょっと心の余裕を持って接した方がいいのかもしれませんね。」
ろ「はい。」

 以上、ころんさんとのキューバ音楽についての対談でした。長くなってしまいましてすいませんでした。この対談が、皆様のご参考になることがあればとても嬉しく思います。お送りしましたのは、ヒワイイ大使の巨乳担当めぐりんでした。それではまた次回まで、ご機嫌よう~♪

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