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2012年7月20日 (金)

イラナ 「美麗的大草原」

P001
 モンゴルの馬頭琴奏者イラナの、05年の日本制作のアルバムです。あ、モンゴルと言っても内モンゴル出身らしいですから、正確には中国出身ということになりますかね~。87年生まれですので、このブツは18歳の時に出したことになりますね。イラナちゃんは十代前半からその才能を発揮して注目されているという馬頭琴の俊英ですが、わっちはこの娘のことは全く知りませんですた。ブックオフでたまたまこの馬頭琴を持ったイラナちゃんが写ったジャケを見て、思わずゲットしてしまった次第でございます。500円也。

 わっちとしては、シンプルな馬頭琴の演奏とイラナちゃんの歌を聞ければそれで良いと思っていたのですが、再生したところ出て来た音楽は、派手なオーケストレーションを施された、NHKの歴史番組やドキュメンタリー番組のBGMとして使われそうな、「モンゴル、その雄大なる大地」みたいな大袈裟な音楽でありますた。また、日本側が押し付けたとしか思えない「涙そうそう」とか「赤とんぼ」なんかも入っていて、ハッキリ言ってガッカリって感じ~!日本で売ることしか考えていない無神経な作りとしか言いようがありません。イラナちゃんの馬頭琴は良い音なんですが、その他余計な装飾がイラナいんですよ。イラナいモノがあまりに多いイラナちゃんのアルバム、完全なるプロデュースミスですな。

 良い部分もあるんでやんすよ。例えば4曲目の「スーホの白い馬」のオーケストレーションが無い部分なんかは、シンプルに馬が走るような音だけを足していて、馬頭琴だけでは表現しにくい馬の疾走感を出していて、実にイイ感じです。それがキーボードやエレキベースなんかで余計な音を足した途端に、情緒が無くなってしまうのでやんすよ。遺憾な~、こういう仕事振りでは。プロデューサーは音楽に愛情も思い入れも何にも無いヤツなんでしょうな。馬頭琴のアルバムを作るなら、どのようにすれば伝統を現代化出来るのかをしっかり考えてもらわんとね~。少なくともアイリッシュ・トラッドの現代化がどのようにされて来たかぐらいのことは、音楽の制作に関わる者として当然勉強しておかねばならんはずでしょ?非常に参考になるはずですし。

 馬頭琴の独奏ではなくて何らかのアレンジをしなければならないのであれば、わっちであればピアノ、アコースティック・ギター、空間に奥行きを与える程度のシンセぐらいしか使わないでしょうね~。その点で言えば、8曲目のシンプルなピアノ伴奏が付いた曲の仕上がりは実に良いと思います。あとは11曲目の、シンセか何かで通奏低音を鳴らしているその上を、馬頭琴がメロディを紡いでいるやり方とか。

 うーむ、それにしても残念なアルバムでやんすね~。良い部分もあるんですけど、プロデューサーが無神経なせいでイラナちゃんの良い所を生かし切ることが出来なかったという、至極残念盤。

 あと、今回は試聴が見つかりませんでしたので、試聴の貼り付けは無しでやんす。

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コメント

ころん 様

日本制作のアルバムの99%はこのパターンで失敗していますよね。
中国から来ているニ胡や古筝などの伝統楽器を弾くアーティストに一時はまったことがありますが、結局はどれも同じで全て売り払ってしまいました。
久保田麻琴のような分かっていそうな人がプロデュースしたエルフィ・スカエシやデティ・クルニアのアルバムも決して成功作とはいえませんでしたからねぇ。
結局、日本人がプロデュースした段階で、本来の良さは全て台無しされてしまうということなのでしょうね。

>おやぢ様
この手の日本制作のブツってほとんど聞いたことは無いんですけど、やっぱりこのブツみたいなエエ加減な作りをしているんですね~。日本の制作陣というのは、心無い連中が多いということなんでしょうね。困ったものであります。

ワタクシは個人的に久保田真琴は大嫌いでして、エルフィのアルバムなんかは駄作の極みだと思っております。歌手を生かすようなタイプではなくて、自分が面白いことをやっていると自慢したいだけの、サイテーのプロデューサーだと思います。

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